音に対する愛犬の反応

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東京五輪の開会式が予定されていた7/24、全国121カ所で一斉に花火が打ち上がったようですね。花火を怖がるワンちゃんがいるご家庭では、準備と対応で、大変だったのではないでしょうか。

花火は音や光が動物を怖がらせるだけでなく、煙の中に、重金属やダイオキシン、過塩素酸塩やその他の危険な汚染物質を放出するので、呼吸器系や肝機能、甲状腺が気になっている人間や動物には、特に注意が必要です。(当然、水や表土へも拡散します)

犬、猫、人だけでなく、鳥類もビックリして方向感覚を失い、壁や鉄塔に激突し、死んでしまうこともあるようです。

花火に限らず、雷、飛行機、ヘリコプター、サイレン、インターフォン、掃除機、スマホ、キッチンタイマー、トラックやバスのエンジン音など、動物が苦手な音は多いですよね。

我が家の愛犬は、お姉ちゃんが虹の橋へ渡ってから、LINEの着信音に異常な反応を示すようになりました。LINEの着信音が鳴ると、「スマホ、チェックしなさいよ!」と、ママがスマホを見るまで、ずっとねぇねぇしていました。

今では、ラインの着信音は、家にいる間は鳴らないように設定していますが、お姉ちゃんからの連絡がLINEで来るとでも思っていたのでしょうか・・・?

皆さんの愛犬は、どんな音に反応しますか?

犬は人間よりも高音域がよく聞こえるらしい

犬が野生だった頃、ネズミやウサギなどの小動物を捕獲する際、それらの高い鳴き声やカサコソ音を聞き取る必要があったため、遠くの小さな音の発生源を知る能力や、高音を聞く能力が高まったと言われています。

犬が音の発生源を知る能力は、16方向の音源に反応できる人間の、さらに倍くらいあるそうです。

また、人間が聞き取れる音域はおよそ20~20000ヘルツですが、犬は、65~50000ヘルツまでの音域を聞き取ることができるようです。

ちなみに、犬を呼び戻すことができる「犬笛」は16000〜22000ヘルツの音を出すことができます。人間には「スカー」みたいな微かな音にしか聞こえませんが、犬は約2km離れていても、犬笛の音を聞き取ることができるといわれています。

様々な音

  • 「ピアノ」は、一番低い音が24ヘルツで、一番高い音が4186ヘルツ。
  • 「ピッコロ」の最高音はピアノの最高音と同じ4186ヘルツ。(ヘェ〜)
  • 「口笛」は、500ヘルツから4000ヘルツ。(案外高音いけるんだね)
  • 小さい子供が親を求めて叫ぶ声が2000ヘルツから6000ヘルツ。(そりゃ高いわ)
  • 大人の日常会話が250ヘルツから4000ヘルツ。(人と年齢と感情によるんだろうけど)
  • 自転車のベルの高い音のやつは3500ヘルツくらい。(あ〜、あれビックリする)
  • 車のクラクションは300から700ヘルツ。(案外低い方なんだ)

などなど、私たちは様々な音に囲まれているわけですが、同じ音源でも、人間と犬とでは、聞こえ方が違っているんでしょうね。私たちは、犬より低い音が聞こえ、犬は私たちよりも高い音を聞き、補い合って生きているんですね。

ちなみに、犬が最も聞きやすい音は8000ヘルツ前後だそうです。高い声で話しかけると、嬉しがりますよね。「いい子ね〜」とか。「ちょっと、それはダメじゃない?」って低音で話す時は、聞こえていないふりをするんじゃなくて、本当に聞こえずらいのかもしれません。

同じ音を聞いた時は、犬の方が大きい音として聞こえている

音量は、デシベルで表しますが、

  • 雷と飛行機のエンジン音が120デシベル
  • 車のクラクションが110デシベル
  • 花火が100デシベル
  • 犬の鳴き声とピアノが90デシベル
  • テレビが80デシベル
  • 電話の着信音が70デシベル
  • 時計のチクタク音が30デシベル

と、案外、犬本人の鳴き声は大きいんですよね。雷に驚いてお庭から逃げ出したり、高速道路のサービスエリアでパニックになって走り出したりなど、あまり大きな音や、不意な音、普段聞かない音に対しては、人間の何倍も、心底びっくりするんだと思います。

犬が人間よりも強く不快感を感じる音

  • 芝刈り機
  • ドライヤー
  • 電動工具
  • 掃除機
  • 花火
  • 大型車のエンジン音(バスが急にプシューッて言うやつとか)

などなど、ご近所の工事やマンションの修繕工事中などでも、下痢や嘔吐、てんかんの発作が出やすくなる子もいます。人間には聞こえない不快な音を爆音で聞いているのかもしれません。

不快な音がした時は

  • 失禁する
  • そわそわする
  • 嘔吐する
  • てんかんの発作が起きる
  • 下痢をする
  • 呼吸が荒くなる
  • 体全体で震えだす
  • その場から逃げようとする

などの症状が現れます。

落ち着いてもらうために

嫌な音に反応してると判断したら、少し強めに抱きしめてあげると、安心します。仕事や家事などで、直接抱きしめられない場合は、「ちょっときつめに抱きしめてくれるお洋服」っていうのが、販売されていますので、活用するといいかもしれません。(そういうのが嫌いな子には適さないと思いますが)

ストレスがかかった時に出るホルモンの分泌は、「咀嚼による刺激」が脳に伝わることで抑制されて、血中濃度が下がることがわかっています。何か、噛むものを与えてあげると、より早く平常心に戻れるんじゃないかと思います。

あらかじめ、嫌な音がすることがわかっていたら、前日あたりから、その翌日くらいまで、鎮静系のハーブをご飯に混ぜておくのも一手です。バレリアン・スカルキャップ ・セントジョンズワート・ホップ・パッションフラワー・カモマイルなどがオススメです。

まとめ

「苦手な音は、録音して小さな音量から鳴らしていきましょう」という意見を見たことがありますが、YouTubeとかで、黒板をチョークで引っ掻く音や、発泡スチロールをキュッキュする音、3000ヘルツの音などを検索して、聞いて見ると(数時間、気分が悪くなるので要注意)、そんなこと、絶対に言えないです。

嫌な音は聞かないのが一番。聞いてしまって、苦しい思いをしているなら、早く平常に戻るように助けてほしいです。犬だって、同じでしょう。

愛犬は、私たちが聞こえる音よりはるかに高い音を、私たちが聞いているよりもっと大きな音量で、私たちの倍の方向から聞いています。愛犬が好きな音、嫌いな音、体調を崩すくらい大っ嫌いな音が何かを知り、できる範囲で快適な環境を守ってあげたいです。

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