愛犬の腎機能低下時のハーブについて
健康診断で、「薬を飲むほどではないけれど、腎臓ケアのフードに変えた方が良い」と、担当医に言われ、フードに加えこちらの「腎臓応援」を購入しました。
腎臓ケアのフードは、タンパク質、リンを制限したフードですが、「腎臓応援」のハーブには、リン、タンパク質、リンが含まれていると書かれていました。制限しなければならないものが入っているのは何故でしょうか?
というご質問をいただきました。
ご質問への回答が、タンパク質制限をされている他の愛犬様にとっても、少しでもお役に立てればと思い、シェアさせていただくことにいたしました。
以下、回答の一部(個人様の特定にならないよう、多少編集しております)でございます。
腎臓は、タンパク質を食べた後にできる老廃物をろ過するお仕事(尿を作り、体の外へ出す機能)をしていますが、腎機能が低下しますと、そのお仕事があまりできなくなります。
そこで、腎臓の負担を少なくするために、食事から得られるタンパク質、カリウム、リンを、現在の腎機能で対応可能な量まで「制限」することになります。
タンパク質の多い食材には、同時にカリウム、リンも多く存在しますので、タンパク質を「制限」すれば、カリウム、リンも「制限」することができます。
しかし、必要以上にタンパク質を「制限」しますと、カリウムやリン、それ以外のビタミンやミネラル、抗酸化物質、食物繊維の摂取も同時に「制限」してしまうこととなり、
体全体の機能低下もさることながら、腎機能の低下に拍車がかかったり、低カリウム血症に代表されるような、他の症状を招くことになります。
それを防ぐために、肉や魚、野菜やきのこ類を摂取しないのではなく、種類を選んだり、調理方法を工夫したります。
例えば、鶏肉ならモモ肉やササミを、肉ならロース、肩、モモを、牛ならヒレや赤身やひき肉を。魚はアジ、イワシ、カレイ、秋刀魚、タラを。野菜は小さく切って茹でこぼす、キノコは舞茸を選ぶなどです。
腎機能の低下に伴い、腎臓の働きの一部である
などが低下していると考えられますので、ハーブでお手伝いをする場合には、
を使います。
犬用の腎臓療法食の場合、メーカーによってハーブを追加しているところもございますが、ダンデライオン(セイヨウタンポポ)か、アルファルファのどちらかを使っていることが多いようです。
腎臓にはたくさんの血管が通っており、酸素の依存性が高く、血圧の異常や血管の弛緩、循環不良などに敏感に反応するため、抗炎症作用や免疫刺激作用、循環強化作用のあるハーブがお役に立つという考えから、
イチョウ・パセリ・ダンデライオン・ホーソン ・ガーリック・エキナセア・マーシュマロウ・アルファルファ・アストラガルス・ゴールデンロッド・カウチグラスなどが選ばれます。
弊社は、イチョウ・パセリ・ダンデライオンを使っております。
イチョウは血管強壮作用があり、弱った腎機能の強壮剤として古くから使われております。
パセリは、栄養豊富で、抗酸化物質も多く含まれていて、血流を改善し、腎臓病の主要な危険因子である高血圧のリスクや貧血を減らす役割することがわかっています。犬の腎疾患では、生のパセリジュースを飲ませるホリスティック獣医もいて、良い結果が出ることがわかっています。
ダンデライオンは、特に栄養が豊富で利尿作用もあり、肝臓の強壮剤にもなるため、(肝臓は、腎臓が働く前に「血中の毒素や老廃物を取り除く仕事」をしてくれます)腎臓の仕事が楽になります。
さて、細胞を持っているものは、菌であろうと植物であろうと動物であろうと、全て、タンパク質を持っているため、タンパク質を摂取しないと生命維持ができません。
ハーブも植物ですので、ご指摘のとうり、タンパク質(カリウム、リン)は含まれておりますが、タンパク質の「制限」をしている時に不足する栄養を補い、腎臓の機能を補助するという目的で使っております。
肉や魚、チーズや乳製品などと違い、ハーブは重量が少なく、1回に使う分量も極めて少ないです。
ですので、タンパク質(カリウム、リン)を制限している療法食と一緒に食べた時に、現在の腎機能を超えるタンパク質の摂取になるのではないかとか、腎臓に負担をかけるのではないか、ということは考えにくいですので、安心してトッピングしていただければと思います。
ここまでです。
ちょっと付け足し
腎機能が低下していると言われつつも、がっつり食べてくれている間はいいのですが、だんだんと食欲がなくなる子が多いようで、そうなりますと、少量を頻回食べる食事方法になります。
身体中の毒素や老廃物の除去を、少しでも手伝えるように、水分の多い食事が奨励されます。トッピングやおやつさんにも、水分の多い野菜や果物が適しています。スイカ、スプラウト、緑色の野菜、魚油などもオススメです。
それから、背中の腎臓がある部分(背中真ん中よりちょっと尻尾寄り)を温めてあげると、腎臓周辺の血流量を増やすことができますし、
慢性歯科疾患、尿路感染症、化学物質や環境汚染物質の影響、薬物の長期使用、過剰なワクチン、免疫力の低下などに対し、一つでもお手伝いできることがあれば、腎臓さんの応援に繋がります。
腎機能が低下してしまうと、元に戻すのは難しいと言われています。今の機能を出来るだけ保ち、進行を遅らせたいものです。