膵臓に心配事がある愛犬へのハーブ

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最近のご相談で、「えっ・・・獣医さんからの説明、それだけだったんすか?そりゃ、色々迷いますよね・・・」と思うことが何度かあったので ↓ 。

愛犬の不調を訴えて獣医さんに診てもらう時、

  • 愛犬の症状から予想される病気の種類
  • 検査方法の理由
  • 検査結果の数値や画像からわかること
  • 出された薬の薬効と副作用
  • 副作用が出たら、どうすればいいか
  • 診断された病気に対しての、家庭での対応方法
  • 次回の診察はいつ来るべきか、あるいは、どうなったら来なくてもいいのか

などを、きちんと説明してもらって、理解してから病院を後にしましょう。

本来、当事者である愛犬に、これらを聞く権利がありますが、愛犬には、獣医さんの言葉が理解できないと思われるため、私たちが愛犬の代わりに聞いておくスタンスです。

さて、最近、膵臓関連のご相談が重なったので、今日は、膵臓の具合が悪いですね・・・と言われた時、

  1. 愛犬の身体のどこで何が起きているから
  2. その症状が出ているのか
  3. それに対してどう対応すればベターなのか

を、経験に沿ってお話ししていこうと思います。

膵臓は、何系?

膵臓の数値が高いと言われたので、腎臓タイプの元気ごはんを注文します。

と、ご注文をくださるお客様が、案外いらっしゃいます。こういう時は、すぐにお電話を差し上げるようにしています。ネット注文をして、ショップから電話がかかって来るなんて、そうそうないと思いますが、いやもう、本当に「誰?この電話番号?」と不信ゲージMAXかとも思いますが、私がお伺いしたい理由はただ一つ。「なぜに腎臓タイプなのか」でございます。

膵炎の影響で腎臓の数値が上がることもありますが、ほとんどの方が、

腎臓と膵臓が、なんとなく似ている気がして、選びました

と仰ることが多いのです。「ジンゾーとスイゾー」は語呂が似ているのかな?「膵臓(すいぞう」と「脾臓(ひぞう)」は、老眼鏡を外すと同じに見えるけど・・・。(おいおい・・・)

例えば、人間が大きな病院へ行って、何科を目指して歩いて行くかというと、「膵臓」は消化器内科で、「腎臓」は泌尿器内科でございます。ちなみに、肝臓や胃腸、糖尿病の時も膵臓と同じ消化器内科です。

語呂が似ているから選んだと言ってくださる正直な方達は、お話をじっくり伺いますと、出ている症状が、肝臓、お腹の激しい痛みや嘔吐、血糖値のノンコントロールによる不調などが主訴で病院へ行かれています。

消化器系の不調が主訴だったんですね。お話を伺えてよかったです。

膵臓は普段何をしているのか

膵臓の主な役割は2つで

  1. 「膵液」という消化液を十二指腸に分泌しています。膵液の中には多くの消化酵素が含まれていて、食べ物の消化を助けています。
  2. 様々なホルモンを分泌して、全身の細胞に働きかけています。代表的なのはインスリンで、血糖値を一定濃度にコントロールする働きをしています。

急性膵炎が疑われる愛犬の症状

  • 急に食欲がなくなり、苦しそうに何回も吐いて、元気が無くなった。
  • 泥状の下痢便や血便が出た。
  • お腹がめっちゃ痛そうで、体を丸めたり、祈りのポーズ(伏せてお尻をあげる感じ)をする。

急性膵炎の場合、何らかの原因によって膵臓の中で消化液が膵臓自体を溶かしていると考えられています。膵臓が溶かされることで、強い炎症反応が起き、膵臓だけでなく、ほかの臓器にも炎症が起き、かなり痛くなるのだそうです。

また、上記のような様子は見られなかったけれど、フラフラ歩くから病院へ連れて行ったら、急性膵炎による低血糖だったというケースも。

いずれにしても、愛犬はめっちゃ大変そうなので、速攻病院へGOですね。

病院では

こんな症状があったんです!と詳しく語りましょう。土や道路についていない(他の菌がついていない)うんちくんやオシッコ、嘔吐物などを持って行けたら、持参もオススメです。

初期の膵炎は、胃腸炎や細菌、寄生虫疾患などと似ているため、膵炎と区別がつきにくいそうです。血便や嘔吐の症状が、細菌や寄生虫の問題ではない。という「除外診断」をする方が、早い診断につながります。

レントゲンや腹部エコー、血液検査もされるでしょう。そして、獣医さんが総合的に考えて「急性膵炎のようですね」と仰るでしょう。

対処方法

せっかく病院へ駆け込みましたが、そして、たくさんの検査をしましたが、残念ながら急性膵炎には特効薬がありません。出ている辛い症状を緩和して、膵臓を安静にすることが治療目的になります。

嘔吐が激しい子には、制吐剤・制酸剤による嘔吐の抑制をするお薬が出るようです。脱水気味の子には輸液による循環血液の確保が行われます。また、お腹がめっちゃ痛い子には鎮痛剤での腹痛の緩和が行われます。

何かを食べると、膵臓の酵素を刺激してしまうことから、昔は、3日くらい絶食・絶水と言われることが多かったのですが、最近は、水や少量の低脂肪食を欲しがる場合は、早期に食事を与えた方が良いという考えの先生もおられます。

膵炎を起こす原因

高脂肪食や肥満が引き金になることが多いですが、遺伝的要素から、ミニチュアシュナウザー・コッカースパニエル・トイプードル・ウェスティ・ヨークシャーテリアなど、膵炎を起こしやすい犬種というのはあるようです。(ご相談を受けている感じでは、ポメラニアンも多いです)この犬種のお子たちは、特に肥満や高脂肪食は避けた方が良さそうですね。

他には、麻酔による膵臓への血流の低下が原因になったり、抗痙攣剤や利尿薬、抗がん剤や農薬など、特定の薬物が誘発していたり、慢性小腸疾患、胆嚢疾患、クッシング症候群、糖尿病、甲状腺機能低下症を持っている場合も、膵炎になる危険性が高まると言われています。

番外編ですが、もともと免疫力がとても低い状態の子が、散歩中に拾い食いをしたり、生ごみをやっつけたりした時に、そこらへんにいる普通の細菌に感染して、膵炎を発症することもあるようです。

膵臓が調子悪い時の食事

食事は1日に数回、少量ずつ与えてくださいと言われると思います。食事をすれば、膵臓から消化酵素が出ますし、食事によって血糖値が上がれば、膵臓からインスリンなどのホルモンが出ていくからです。

アミノ酸とオメガ3脂肪酸の摂取は、膵臓が消化酵素を出す刺激にならないことがわかっているので、脂肪分の少ない、消化しやすいタンパク質(白身魚・豆腐・卵白・ささみ)や、サチャインチオイルサーモンオイルなどのオメガ3脂肪酸系のオイルをトッピングするといいと思います。

おやつさんには、芋類や米粉系のもの、低脂肪ヨーグルトやフルーツがオススメです。

膵臓を応援するハーブ

ミルクシスル・マーシュマロウ・ダンデライオン・エキナセア・グローブアーティチョークが、膵臓を応援してくれるハーブとして有名です。

パリフィ舎では、この中から「ミルクシスル・マーシュマロウ・ダンデライオン・エキナセア」を、膵臓が心配なお子の「元気ごはんの素」入れてお届けしており、長期に渡りお喜びいただいております。(ご用命の際は、備考欄に「膵臓用のハーブ追加希望」とお書き添えください)

まとめ

消化器系(肝臓、胃腸、嘔吐、お腹の痛み、下痢、ふらつくなど)の異変を感じて病院へ行き、「膵炎の疑いがありますね」と診断されたら、まずは出されたお薬で愛犬の辛さを和らげましょう。

その後は、食事に、膵炎応援ハーブ(ミルクシスル・マーシュマロウ・ダンデライオン・エキナセア・グローブアーティチョーク)や、消化しやすいタンパク質(白身魚・豆腐・卵白・ささみ)、オメガ3系脂肪酸(サチャインチオイルサーモンオイル)などを取り入れ、

1回の食事量を少なめにして、1日数回に分けて食事をしてもらうようにしましょう。おやつが必要な子は、ケーキや酸化した油を使った物は避け、芋類や米粉系のもの、低脂肪ヨーグルトやフルーツを。

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