愛犬の出来物から出る浸出液が匂う時

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腫瘍を持っている愛犬とお暮らしの方から、患部の浸出液の匂いがキツくて・・・というご相談をいただきました。実は、私も、過去に同じ悩みを持っておりましたが、とても簡単なことを、1日3〜4回するだけで、「くちゃい」から解放された経験がございます。

その方法を試していただいたところ、「あっけなく改善した」とのご報告をいただきました。案外、同じような事でお悩みの方も多いのではないかと思い、シェアすることにしました。

もちろん、全てのワンちゃんに当てはまる方法ではないと思いますが、ちょっとやってみるか、と軽くトライできる簡単なお手当方法です。しかも一瞬で終わりますので、する方もされる方も、ストレスがなく、とても楽チンなのが特徴です。

犬の皮膚には4つの菌が住んでいる

犬の皮膚には、常在菌として、主に4つの菌が住んでいると言われています。

  • CN**ブドウ球菌(善玉菌)
  • マラセチア酵母菌(日和見菌)
  • SIG*ブドウ球菌(日和見菌)
  • 黄色ブドウ球菌(悪玉菌)

健康な犬の皮膚は、「善玉菌」が多い状態です。「悪玉菌」がいても数が少なければ毒性はなく、「日和見菌」の2種類も、特に活動をしないので、問題は起きません。

これを人に例えますと、住んでいるエリア内に、

  • 「綺麗好きな人」(善玉菌)
  • 「普段は何もしないけど、落書きがしてあったり、ゴミが落ちていたら、つい、自分も落書きをしてみたり、そこにゴミを捨てたりする人」(日和見菌)
  • 「常に汚す人」(悪玉菌)

が同居しているようなもので、(最近の研究では、善玉菌7株に対して、日和見菌の1つが16株観察されたそうですので、実際には、日和見菌がとても多いのだと思います)

健康な皮膚では、悪玉菌が汚しても、善玉菌がすぐにお掃除をして綺麗にしてくれるので、悪玉菌の数も増えません。エリアが汚れないので、日和見菌も何もせず、皮膚のバランスが取れている状態になっています。

その匂いは、悪玉菌と日和見菌の増殖が原因

ところが、出来物から浸出液や血液が出ているような時は、すでに「悪玉菌」によって、エリアが汚れてしまっているので、「日和見菌」が、ここは汚してもいいと思い、活動が活発になります。ゴミを落としたり、落書きを始めます。「悪玉菌」も「日和見菌」もどんどん増えていきます。

これでは「善玉菌」のお掃除が間に合いません。結果として、炎症や匂いが発生します。

特に匂いがキツイのが「黄色ブドウ球菌(悪玉菌)」です。こいつの数を少なくすれば、「日和見菌」も、あれ?ちょっと周りが綺麗になってない?と思い、活動が落ち着き、数も減ってきます。そのスキに、「善玉菌」にお掃除をしてもらい、匂いを少なくする作戦です。

善玉菌を守りながら、悪玉菌を少なくする精油

善玉菌を守りつつ、悪玉菌を少なくしてくれる精油は、「ティートリー」と「ラベンダー」がオススメです。

「ティートリー」と「ラベンダー」に高い抗菌効果があることがわかった.特にティートリーは, 大腸菌・表皮ブドウ球菌に対して抗菌効果を示した.それに対し,ラベンダーの抗菌効果は,ブドウ球菌に対 しては,ティートリーと同程度の抗菌効果を持つが,大腸菌に対しては抗菌効果がないという細菌種特異性の あることも明らかとなった.このことから,精油を組み合わせることで、特定の細菌種に対して効率的な抗菌 効果を上げることができるのではないかと期待している。

参考:An investigation into the potential of essential oils (tea tree and lavender) to act as disinfectants, part1

「悪玉菌」の黄色ブドウ球菌を減少させるという目的から考えると、ティートリーでも、ラベンダーでも、どちらでもいいと思います。(私は、大腸菌が関係していなかったので、「ラベンダー」を使っていました)

ラベンダーは、ウイルスやウイルスに感染した細胞、腫瘍細胞などを破壊して、無毒化する働きがある「ナチュラルキラー細胞」を活性化する作用があります。

また、抗菌、消毒作用があり、筋肉の緊張、痛みを和らげ、外傷、腫瘍、痛みに力を貸してくれます。イライラ、頭痛、不眠がある子には、神経の鎮静作用もあります。

ティートリーは、免疫活性作用、抗菌消毒作用、抗ウイルス作用、抗感染作用があり、免疫機能の低下から起こる神経疲労や衰弱にも効果的です。

精油の使い方いろいろ

  • 綿棒に直接オイルを染み込ませ、患部にチョンとつける
  • 他のオイル(アーモンドオイルやホホバオイルなど)で希釈したものを、患部に塗る
  • ティトリーウォーターやラベンダーウォーターなど、スプレーになったものでシュッとひと吹きする
  • ティトリーウォーターやラベンダーウォーターをコットンに染み込ませ、患部に軽く当てる

つける場所や範囲などに合わせて、愛犬が一番受け入れてくれそうな方法を試してみてください。1日3〜4回、「あれ?今、なんかした?」って思ってもらえるくらい、一瞬で手当てすることが大切です。

まとめ

愛犬の出来物から、浸出液や血液が出てきて、それがとても匂う時。ティートリーやラベンダーの精油を、チョチョっと付けて、匂う菌を少なくしてみてください。やり始めて2、3日すると、「あの子がそばに来たのに、ぷ〜んと臭わなくなった」ことを発見すると思います。

腫瘍や出来物そのものの治療は、ドクターと一緒に進めていかれると思いますが、(何もせず消毒のみ、というドクターもおられますが)その過程で、ご家庭での匂い対策が必要になった時、一つの策として試してみてください。

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