お散歩中、愛犬が食べる草について
愛犬がお散歩中、頻繁に「道草」を食べるので、心配です。栄養が足りていないとか、ストレスがあるとか、寄生虫とか、何か問題があるのでしょうか?
というご質問をいただきました。大丈夫です。この時期は、多くの犬がストリートサラダバーを堪能しています。
犬はなぜ草を食べるのか?については、こうだから〜!ジャジャン!という結論は、まだ出ていないようです。
ただ、いろいろな観察から、体調が良いから「道草」を食べないのではなくて、「道草」を食べるのは、体調を維持するために遺伝子の中に組み込まれ受け継がれてきた行動だ。と理解したほうが自然である。という意見が多く、私もそう思っています。
ストリートサラダバーで人気がある草
弊社だけの(だけの!)ご相談によるランキングでは、
- 緑色で先っぽがとんがった「犬麦」の葉っぱ
- オオバコ
- タンポポ
- ナズナ
- シソ
- クローバ
- ハコベ
という順位で、人気があるようです。
番外:「犬麦」が少し成長した時にできる、猫じゃらしのようなホワホワした部分が好きな子もいました。 (猫から転生してきて、犬になったのが初めての子なのかにゃ・・・?)
ちなみに、我が家の愛犬(シーズー 女子 9歳)は、緑色で先っぽがとんがった「犬麦」の葉っぱが好きで、今の時期、結構食べます。葉っぱが自分の背丈を越え始めると、もう、要らなくなって、翌年までスルーします。
今年、約16歳で旅立った子(シーズー 女子)は、道草が好きで好きで、歩くより、食べる時間の方が長かったので、私は彼女との散歩を「放牧」と呼んでいました。「ちょっと、放牧行ってくるわ」。この子も、犬草が自分の背丈より大きくなったら、翌年までスルーしていました。
昨年、約18歳で旅立った子(シーズー 男子)は、全く道草を食べない子でした。犬だからって、全員が食べるわけでもないようです。
草の使い道
その時々に整えたい体調によって、草の使い道に違いがあるんじゃないかと思っていて、
- 草を匂って、かじるだけ
- 草をかじってちょっとだけ食べて、残りは捨てる
- 草をバリバリ食べて、便と一緒にそのまま出す
- 草を食べた後、その草と共に嘔吐する
など、いろいろなパターンがあるようです。
草を匂ってかじるだけの場合は、草の香りや味を楽しんでいるのでは?
ちょっと食べて捨てる場合は、そろそろ食べ頃かな?とテイストしているのかな?
便と一緒に出す場合は、ちょっと下痢気味で、お尻から草だけつるんと覗いている場合もあるので、腸から出したいものがあって、それを早く出すために草を利用したのかもしれません。
草と一緒に嘔吐する場合は、胃の中にここから先に行かせたくないものがあって、吐きやすいように草に手伝ってもらったとか・・・。
それぞれの草が持っている力
それぞれの草が持っている力は(人間が現在、知り得ている限りでという意味でですが)
- 犬麦→泌尿器系に作用→抗菌作用、収れん作用、抗炎症作用、穏やかな利尿作用など。
- オオバコ→泌尿器や消化器、皮膚に作用→粘膜の潤滑や鎮静と保護、抗炎症作用など。
- タンポポ→消化管や肝臓、胆嚢に作用→利尿作用、抗炎症作用、肝臓強壮作用など。
- ナズナ→皮膚や粘膜に作用→利尿作用、疲労回復、ストレスの軽減など。
- シソ→皮膚や粘膜に作用→食欲増進、健胃、殺菌作用、粘膜の保護など。
- クローバ→消化管や肝臓に作用→利尿作用、抗炎症作用、抗酸化作用など。
- ハコベ→皮膚や消化管に作用→粘膜を保護する作用、利尿作用、鎮静作用、潤滑作用など。
という感じです。改めて調べてみますと、自分でも「アッ!」となりました。
作用する場所が、泌尿器、粘膜、皮膚、消化器、時々肝臓 に集中しています。そして、効能的には、利尿作用、抗炎症作用、粘膜を保護などが多いです。はっは〜ん。そゆことですね。(どゆことよ)
まとめ
愛犬が、お散歩中に草を食べることは、体調が悪いわけではなく、体調維持のための本能であると思われます。特に、春から初夏にかけては、泌尿器、粘膜、消化器、皮膚、肝臓の健康を維持しようとして、そのような効能がある草に手を出しているのかもしれません。
同じような効能のあるハーブを食事に取り入れると、道草が減ったというご報告もいただいております。ネトル、アルファルファ、マーシュマロウ、ペパーミント、ダンデライオンリーフ などがお役に立ちます。汚染物質などで、路地の草が心配な場合は、お試しください。