愛犬と音の関係
夜中に、突然、愛犬が「ハッハ・・・ハッハ・・・」と息が荒くなったり、夜中に目覚めると、座ってじっとどこかを見つめていたり・・・。特に疾患があるわけでもないのに、何なんでしょう?というご相談をいただくことがあります。
心疾患や痛みを伴う疾患、てんかんの既往歴があれば、それを疑いますが、そのような既往歴がない場合、電子音などの「音」に反応していることがあります。可能性の一つとして、「音源」を探ってみるのも一手かと思います。
音源を探って、愛犬の症状が解消したケース
- 「LINE」と「メール」の着信音の中の、特定の音が苦手で、それが鳴ると、愛犬の息が荒くなり、そわそわ落ち着かなくなることが判明。「LINE」の音を変え、メールの着信音を鳴らさないようにしたところ、あっさり止まった。
- 夜中に突然呼吸が荒くなり、いつまでも寝ないので、抱っこをして家中を歩いていたら、日中ゴルフで使った飛距離腕時計が、微かな音を発していることに気がつき、その音を消したら、愛犬の状態も解消された。
- 愛犬が明け方になるとクローゼットを掘り、興奮するようになったので、クローゼットを調べてみたら、出張用に使った時計が、振動タイプのアラームを発していた。アラームを消したら、ぐっすり眠るようになった。
このように、人間には聞こえていなかったけれど、愛犬にはしっかりと聞こえていて、しかも、その音が愛犬にとって「気持ち悪い音」だった場合、ハッハが止まらなかったり、そわそわが止まらなかったり、あらぬ時刻に興奮する、ということがあるようです。
犬の聴力
私たち人間が感じることができる音は、16~20000Hzですが、犬のそれは、65~50000Hzもあり、人間にとっては超音波とされる音でも、犬は普通に音として聞くことができます。
また、私たちは、左右の耳に音が届くわずかな差を感じて、音が発する方向を察知していて、だいたい16方向まで区別できると言われています。犬は、倍の32方向まで区別できるそうです。
さらに犬は、音の間隔の差を感じる能力も優れていて、同じ音を1分間に100回発していたのを96回に減らしたり、133回を144回に増やすというような、わずかな違いもしっかり判別できるようです。
そりゃぁ、色々な音が、色々な方向から聞こえてきますよね。キモい!と感じる音も、人間より多いんでしょうね。
我が家の愛犬の例
我が家には、伊子という名前の今年11歳になるシーズー(女子)がおりますが、2019年にヴァイス(シーズー 男子 享年18歳)が、2020年に恋(シーズー女子 享年16歳)が、お洋服を脱いで、虹の橋へ旅立ちました。
2020年に恋が旅立ってから、伊子がねぇねぇとめっちゃ甘えてくるようになり、最初は、一人ぼっちになって寂しいのかと思っておりましたが、どうやら、伊子にとって嫌いなテレビ番組やYouTube番組がある、ということがわかってきました。
テレビやYouTubeを消すと、速攻で静かになり、自分の場所へ行って、まったりし始めますので、音を消して欲しくて、ねぇねぇをずっと言っているということが判明したのでした。
ヴァイスや恋が居た頃は、そんな行動は全くなかったので、多分、10年間、外界に対して、ヴァイスや恋に全面的に頼っており、ヴァイスや恋が反応していなかったら、自分も大丈夫なんだと思っていたのかもしれません。
あるいは、相次いで一緒に暮らしていたお兄ちゃんやお姉ちゃんを亡くしたストレスで、聴覚過敏になっているのかもしれません。
いずれにしろ、ニュース番組はだいたい嫌がります。次のニュースに変わる時の効果音が嫌なようです。バラエティーやYouTubeは、何も反応しない番組と、消して!という番組がありますので、伊子がOKな番組だけを見るようにして、
どうしても見たい番組(太田上田)(太田上田っ!しかも、消してって言われる・・・)は、ヘッドフォンをつけて見るようにしています。
犬からのお願いの合図
お願い事がある時に犬がする合図は、犬によって違うと思いますが、同じような合図でも、犬にとっては、色々なことを言っていることが想像できます。
なんでもかんでも「お腹が空いた」とか「撫でて欲しい」のではなく、「やめてほしい」ことや、「改善してほしい」ことを、とても紳士的に(あるいは淑女的に)穏やかに伝えている時もあることを、わかってあげたいと思います。
ちなみに、ヴァイスは雷が超怖い子で、雷が鳴ると、その日はずっと抱っこしていなくてはならなくて、全く仕事になりませんでしたが、15歳を過ぎたあたりから、聴力が衰えたとみえて、雷を全然気にしなくなりました。
何かの機能が衰えるということは、穏やかな時間をもたらすプレゼントにもなるだな〜と思ったものです。伊子も、あと4、5年したら、怖がる音が減っていくといいのですが・・・。