シニア犬の舌の動きが衰えてきたら
16歳シーズー女の子さんのパパさんからのご相談。「近頃、舌の感覚がおかしいようで、ドッグフードを食べようとすると、一つ残らず、頭の方へすっ飛んでしまうんです」
パパさんが、じっくり観察された結果、どうやら、舌が右に右に逸れていくとのこと。
市販の液体の食事も試されたそうですが、まだ、舌や歯を動かして、柔らかい固形物なら食べたいという、本人の意向があるとのことで、「元気ごはんの素」に辿り着いてくださいました。
実は、「元気ごはんの素」で、初期の流動食を作っておられる方は、案外多いです。シリンジから直接口腔内へ入れる、本格的な流動食の前段階みたいなやつです。
半流動食を元気ごはんの素で作る
【作り方】
- 元気ごはんの素を、水を多めにして炊く。
- ラップに包める程度の炊き上がりで、1食ずつ冷凍。
- 解凍し、ミルサーでドロドロにする(好みの硬さにするために水を加減しながら入れる)。
- 米粉、葛粉、山芋、にんじんフレーク、じゃがいもフレークなどを入れて、混ぜ、とろみを出す。
- スプーンや指などで、舌の状態に合わせて食べさせる。
【注意する箇所】
- 3の時に、あまり水を多くすると、上手に舌の上に乗らないようです。
- また、ミルサーではなく、お鍋でコトコト、潰しながらペースト状にしていく方もおられます。
- 4で、とろみを出す素材として「ほっと元気」や「うんちがゆるい日」を活用されている方もおられます。
- 出来上がりが冷たいより、40度くらいの温度だと喜ぶというご報告もあります。
量や回数は本人に任せて
食べたい意思が大いにあり、半流動食を与える場合、1回に食べる量や、1日の回数は、本人に全て任せるのがいいと思います。
愛犬も、最初は、舌が上手に使えないことに戸惑いますが、「あぁ、参ったなぁ・・。これから先、どうしよう」などとは考えません。「どうやったら、もっと上手に食べれるようになるんだろう」を考え始めます。
最初はいつもより少ない量で食事が終わり、作った食事が残りますが、だんだんと舌の使い方を学習して、盛り返してきます。
残した時は、本人が一番分かっているので、「まだあるよ〜」ではなく「上手に食べたね〜」と褒めて、すぐに片ずけてあげましょう。
お昼やおやつタイムに、残った半流動食を流用してもいいですし、バナナなどの柔らかいおやつを少しずつ足して、味を変えてあげてもいいですよね。
便が柔らかくなる
どうしても、水分が多い食事になるので、今までよりも便が柔らかくなります。また、便通の回数や1回の量も少なくなる子が多いようですが、そのこと自体に問題はありません。
舌が使いにくいので、水が飲めるのかと心配されるようですが、水は飲みに行って、少しずつでも減っているようです。そもそも、半流動食そのものに水分が多いので、水分摂取に関しての心配はしなくても良さそうです。
まとめ
老化現象の一つとして、舌の機能が低下することがあるようです。食事を食べたがる場合は、ミルサーなどを使って、食べやすい状態にし、欲しい分だけ食べられるよう手伝ってあげましょう。半流動食を作る側も、簡単でストレスのないクッキングを心がけ、明るく接することが大切です。