愛犬が黄色い液体を嘔吐した
最近、「黄色い液体を嘔吐したけど、そのあと、ピンピン」なお子たちからのご相談が重なりましたので、こちらでシェアしたいと思います。
黄色いものを嘔吐したけど、その後、ピンピンしている。元気だから、病院までは行ってないけど、これって何?な経験はありませんか?
愛犬の可愛いお口から出てくる、ツンとした匂いの黄色い液体は何なのか、どういうシステムで出てくるのか、予防はできるのか、対処法はあるのか、など、経験を元に書いていきたいと思います。
お鼻が短い犬種で起きやすい現象
いわゆる短鼻種の、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、ボクサー、シーズー、チベタンスパニエル、チャウチャウ、パグ、狆、キングチャールズスパニエル、ブリュッセルグリフォンたちは、
鼻ぺちゃになるように交配した結果、胃と小腸の接合部分に異常がある確率が高くなったようで、何かと、うっかり嘔吐することが多いようです。
うちのヴァイス(享年17歳9ヶ月 男子 シーズー)も、よく嘔吐する子でしたが、15歳くらいからは、ついに嘔吐もしなくなりました。嘔吐するにも、若さ(パワー)がいるのかもしれません。
ツンとした匂いの茶色い液体は「胆汁」
嘔吐物に、白い泡のような無臭の液体を吐いた時は「胃液」ですが、ツンとした匂いの黄色い液体を吐いた時は「胆汁」です。両方混じっているケースもあります。
「胆汁」は、脂肪を乳化させて、腸が栄養を吸収しやすくする働きをする消化液です。肝臓で作られていて、肝細胞の毛細胆管という場所に分泌された後に、十二指腸に排出されます。
この十二指腸に排出された「胆汁」が、うっかり胃に逆流することがあり、その刺激によって嘔吐するらしいです。
朝起きた時や夕食の前に「胆汁」を吐くメカニズム
吐く時間が、朝起きた時 とか 夕食の前 で、嘔吐物の中に、食べたものはなく、ただ、胃液や胆汁を吐く子で、吐いた後もピンピンしていて、吐いた後も、ごはんやおやつを食べるという場合、その子にとって「空腹時間が長すぎる」ことが、胆汁を吐く原因のようです。
胃が、すべての消化物を十二指腸へ送り出した後、一定の時間が経つと、空っぽになった胃は、胃壁のお掃除をするために、波のような動きをします。(自動的に壁をクリーニングしてるんですね)
この胃の動きは、十二指腸やその先の小腸にまで影響するので、多分、その時に、胃と小腸の接合部分に問題があるお子たちは、十二指腸に排出されていた「胆汁」が、胃の方へ逆流しやすのではないかと思います。
寝る前に食べてもいいし、もっと頻回に食べていいよ
ということで、予防としては、お腹空いた〜を少なくすること。
- 食事の量はそのままで、回数を増やす(ちょこちょこ食べ)か、回数を増やすのが無理な場合は、夜ごはんを、もう少し遅い時間にしてみる。
- 寝る前に、軽くおやつを食べる。硬い食べ物(ガム系など)や、油っぽい食べ物ではなく、サツマイモなど、繊維質の柔らかいものを少量、食べるようにする。
まとめ
愛犬が黄色い液体を嘔吐した後、ピンピンしていて、ごはんやおやつも食べちゃうようなら、胃が空っぽになった後、十二指腸にあった「胆汁」が胃に出てきて、それが、口から出た可能性があります。
夕食の時間を少し遅くしたり、食事の回数を増やしたり、寝る前に柔らかいものを食べるなどして、観察してみてください。
ちなみに、うちのヴァイス(享年17歳9ヶ月 男子 シーズー)は、寝る前のサツマイモで、朝の嘔吐はなくなりました。伊子(9歳 シーズー 女子)は、朝ごはんを食べないまま、1日お留守番突入になると、夕方、胆汁を嘔吐していますが、夕御飯を食べて復活します。恋(15歳 シーズー 女子)は、犬生で1度、抗生剤を出された日に嘔吐したので、すぐに投薬を中止しましたが、その日以外は、一度も嘔吐していません。
吐きやすい犬種というのは、やはりあるのかもしれませんが、個体差もかなりあると思います。
ただ、嘔吐の原因は、200以上あるといわれていますので、嘔吐した後、苦しそうに丸まっているとか、血のような色をしたものを吐いたとか、震えが止まらないとか、下痢もしてぐったりしているなど、どうみても、病院へGoだろ!って時は、速攻、病院へ行ってくださいね。